この投稿は1年以上前に公開されました。 現在では状況や内容が変わっている可能性があります。 ご注意下さい。m(_ _)m |
情報システムの新製品に手を出すな!
2014/06/11
概要
- 新製品にはバグや障害が発生することが多い。
- メーカ製のハードウェアであっても例外ではない。
- メーカの営業の方々に新製品を勧められても、絶対に乗らないこと。
新製品シーズン到来!
多くの企業では予算制度を採用していると思います。
ある規模以上の設備投資は、年度の開始前に予算を決めておいて、それを1年で使っていきます。
予算制度を採用している企業は、規模の大きな企業では結構多いはず。
予算制度を採用すると、年間の資金調達計画が立てやすくなるからです。
コンピュータメーカの方々も、このことは十分に承知のようです。
予算が確定する5月になると、メーカの営業の方々からの売り込み攻勢が激しくなってきます。
当然、新製品も夏冬のボーナス時期とともに、年度が始まるこの時期も新製品が数多く発売されます。
経験からの結論
私はパソコンに関係することは何でもやらなければならないので、どのメーカのどの製品をどの時期に導入するかを決断する立場です。
私の経験から製品の導入に関して言えることはただ一つ。
それは、「新製品に手を出してはいけない」ということです。
ハードウェアやソフトウェアに関して、メーカや種類や台数や構成などは、どのような情報システムを構築するかによって変わってくるでしょう。
しっかりとシステムが動作すれば問題ないと思います。
しかし、新製品を採用することで「ちゃんと動作する」確率がかなり下がると言うことを覚えてください。
ハードウェアもソフトウェアも同じ
ソフトウェアに関しては言うまでもありません。
OSやアプリケーションに存在する数多くのバグやセキュリティホールについては、既に周知の事実。
私も質問番号003で回答したことがあるので、これを読んでください。
しかし、ソフトウェアでなく有名メーカのハードウェアであっても、新製品を使ってはだめなのです。
体験談その1
今から7年ほど前、私が勤務している会社である有名メーカのノートパソコンを25台購入しました。
そうしたら、OSのインストールがうまくできません。
うまくいく場合もあるのですが、途中で動かなくなってしまう場合もあるという不思議な状態。
調査の結果、メモリの不具合だと言うことが判明して、全部無償で交換してもらいました。
当時、東南アジアでパソコンを制作することで、かなりハードウェアの価格が下がりました。
しかし、半田付けの品質が悪くて不良品の発生率が高く、その結果、不具合が多発したようです。
調査期間が2ヶ月、交換のために1ヶ月、合計3ヶ月もハードウェアの不具合のために無駄な時間を使うことになったのです。
体験談その2
昨年度、サーバを6台購入しました。
全てある有名メーカの同じ形式の最新サーバ。
最近は製品のサイクルがかなり短くなってきています。
パソコンは四半期に1度ぐらいの期間で頻繁にモデルチェンジします。
サーバはパソコンほどではないもののモデルチェンジがあります。
最新のサーバを導入すれば、しばらくの間は同じ製品を購入し続けられるだろうという読みで導入したのですが、これが思わぬトラブルを招きました。
導入後、しばらくの間は安定して稼働していました。
しかし、ある日突然、6台の中の3台がダウン。
エラーログには「メモリのパリティーエラー」という表示しかありません。
とりあえずサポートセンターに連絡すると、「メモリの障害です」と言われて交換しました。
しかし、また同じ障害がすぐに発生。
それから、CPU、マザーボード、もう一度メモり、SCSIケーブルと交換し続けましたが、回復しません。
さすがに頭に来て営業担当者を呼びました。
すると、「実は...」と本当の事を白状してくれました。
導入した最新機種のサーバの中で数%(数十%の間違いじゃないのか?)の割合で不良品があり、世界各地で同様の障害が多発しているとのこと。
しかも、根本的な対策までには時間がかかるらしいのです。
購入した6台のうち、本稼働していたサーバは3台、障害が頻発したのも3台という偶然もあり、サーバを入れ替えて、しばらくの間しのぎました。
結局、マザーボードにオンボードで搭載されているネットワーク部分の問題だったそうです。
当然、3台のサーバは全て丸ごと交換してもらいました。
今回は、原因が究明されて交換が完了するまで、なんと4ヶ月もかかりました。
お勧めの新製品は、お勧めできない
ユーザ企業の情報システム部門で働いている方々は、様々なメーカの営業の方から様々な新製品を勧められるでしょう。
しかし、「お勧めの製品ほどお勧めではない」と思ってください。
本当にすばらしい製品なら、他の企業でもどんどん採用されてシェアを獲得するはずです。
「OSはサービスパックが3回出るまで待て!」という格言と同様に、「新製品は発売後3ヶ月待て!」という心構えを持ちましょう。
↓ブログランキングに参加しています!
![]() ネット・PC(全般) ブログランキングへ | ![]() にほんブログ村 |
おすすめの記事はこちら
- PREV
- 情報システムの開発から保守へ
- NEXT
- 金がかからない情報システムを作ろう!